ペットに危険な植物

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ペットに危険な植物・毒草図鑑(犬に危険な植物・猫に危険な植物)

生活圏にはペットにとって有害な植物が多く存在しております。

本ページに記載する100あまりの植物は、その一部です。

観賞用・園芸用の植物は基本的に食べてはいけません。

私は研究の一環で食べたり舐めたりしましたが絶対真似をしないように。
  
特に、アブラムシや芋虫や毛虫の食害に合いにくい物は怪しいと考えてください。

その鑑別点で考えると観葉植物は虫がつかない物が多いので危険です。
アヤメ科・キョウチクトウ科・キンポウゲ科・クスノキ科・サトイモ科・ツツジ科・
トウダイグサ科・ナス科・ヒガンバナ科・マチン科・マメ科・ユリ科は毒と考えておきましょう。


熱帯の植物は厳しい生存競争や多種類の昆虫の食害と戦い進化しました。

観葉植物は毒や刺激物で武装しています。

漢方薬の原料は薬草です。犬や猫には有毒な場合があります。

安易にペットの漢方薬治療をすることは慎みましょう。

エディブルフラワーにはスミレのように微量な毒を含む植物もあります。

全てのペットが安全に暮らすため沢山の方にこの記載が目に触れることを望みます。
 
ペットや幼児の誤食に気を付けてガーデニングを楽しんでください。

 

 

                                                                                                                                                                                           獣医師 井上平太

 

 ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 ヤ行 ラ行 果物類

 

ア行

 

アイビー(蔦・ヘデラ)

葉や茎に多量のサポニンを含みます。

サポニンとはいわゆる洗剤ですので、一時的な嘔吐や下痢を起こします。

重篤な中毒は起こしませんが気を付けて下さい。

ただし蔦と一般的に言われる物にウルシ科のドクヅタもございます。

こちらは漆同様に酷い皮膚炎を起こしますので注意が必要です。

 

アサガオ.ルコウソウ

特に種子に毒。嘔吐下痢・心悸亢進 道端に生えるヒルガオも同様に注意しましょう。

ファルビチンを種にに含んでおり、誤食すると激しい下痢や血便を発症します。

西洋朝顔マルバアサガオの種にはリゼルグ酸アミドを含みます。

こちらの場合には向精神作用が有り幻覚を起こします。

この成分の採取目的で種を精製すると逮捕の対象になりますので気をつけましょう。

大学院研究生の頃、大学の近くの朝顔市で見た団十郎という品種が忘れられません。

気温25℃以上では種が出来にくく、今の地球温暖化では幻の品種だそうです。

えび茶色の見事な大輪種で顔くらいの大きさで周囲が波打っておりまして見事でした。

正に団十郎の名にふさわしい一品でした。いつか育ててみたい物です。

 

アジサイ・ハイドランジア

葉にクマリン誘導体と品種により青酸配糖体を含む。嘔吐・めまいを起こします。

大葉の代わりに料理の盛り付けに使用することは止めましょう。誤食したら一大事です。

会席料理の盛り付けに使われているのを数回拝見しました。

夏らしさを演じているのでしょうが、毎夏のように食中毒が発生します。

実はカタツムリもナメクジもアジサイには寄りつきません。絵になるのですがねえ。

この青酸配糖体は植物ではありふれた毒です。虫の食害を防ぐため、科をまたいで含有されております。

時計草(パッションフルーツ)の葉やキャッサバ(タピオカ)ナタマメ等でも含んでおります。

花祭りで供される甘茶もアジサイの仲間でガクアジサイの変種です。

児童が飲み集団食中毒を起こした事例があります。厚生労働省も飲用濃度に注意喚起してます。

ご家庭で甘茶を作るときはアマチャ2gを1リットル以上の湯で煎じるようにして下さい。

 

アセビ

全体に神経麻痺や呼吸困難を起こす毒性成分。量によって昏睡や死亡もありえます。

漢字では馬酔木と表記しますが馬ですら麻酔のように倒れるわけです。

有毒成分はグラヤトキシン、アセボプルプリン、アセボイン、アンドロメドトキシン等多種に及びます。

当院の患者で一度中毒事故が発生しております。

この木の幹に犬を繋いでおき、暇な犬が木を囓ってしまい中毒を起こしぐったりして来院しました。

点滴と酸素テント入院とヨヒンビンの投与で改善しましたが二日間生死をさまよいました。

 

アマリリス・スイセン・ヒガンバナ・ネリネ・クンシラン・スノーフレーク・ダイアモンドリリー

これらのヒガンバナの仲間はリコリンを含み少量で嘔吐やかぶれ、多量で中枢神経麻痺を起こし死に至ります。

リコリンは花・葉・球根など全草に含有します。

水仙の葉をニラと間違えて料理に使う事故が後を絶ちません。どうか気をつけて下さい。混植は厳禁です。

見分け方としては水仙の葉にはニラのような匂いがありません。畑には植えないことです。

また、スイセンの茎にはナルシクラシンと言う毒素が有り一緒に花瓶に入れた花の寿命を半分以下に短くします。

きっと将来は抗がん剤として異型細胞の寿命を短くする役に立つのではと密かに考えております。

他にシュウ酸カルシウムで口内炎や皮膚炎を起こします。

ギリシャ神話ではナルキッソスと言う美少年の遺体から生えたのがこのスイセンと言われております。

わずかに下向きに咲く花が、水面に映った自分に見とれているナルキッソスを彷彿させるのでしょうか。

いつの世も、美しさの中に毒があるものです。動物にも植物に対しても厳しい植物ですね。

君子蘭(クンシラン)蘭と付きますがラン科ではありません。ヒガンバナの仲間で猛毒です。

冬場室内に取り込んだ時から春の開花までの間にペットの中毒事故が発生します。

ラン科は無毒ですので、これと間違えて安全と思い込む方が後を絶ちません。

スノーフレークと近縁のスノードロップもスイセンと同じく猛毒です。ニラと間違えないように。

夏に香り高い白花を咲かせるスパイダーリリー(ヒメノカリス)ハマユウもヒガンバナ科で猛毒です。

 

アヤメ科・ジャーマンアイリス・シャガ・花菖蒲・グラジオラス・クロッカス

イリシジンなどの皮膚炎を起こす成分を含有します。口唇炎・胃腸炎により嘔吐下痢をおこします。 

端午の節句に風呂に入れるショウブは全くの別種です。入浴生薬のショウブはサトイモの仲間です。

花菖蒲の茎を風呂に入れることは間違ってもやらないで下さい。皮膚炎を起こします。

 

イカリソウ(淫羊藿)

イカリイン・マグノフィリンが含まれ異常興奮・睡眠障害を起こします。

微量であればバイアグラ類似作用があるようです。

昔の人は知っていたのでこの漢字を当てたのでしょう。

現物を見てみたい方は当院の青空待合室の槇の木下に群生しています。

初夏に梅花イカリソウ・源平咲きイカリソウなど数種類が咲きます。

男性諸君が利用する場合はあくまでも自己責任でお願いいたします。

 

イチイ・マキ

果肉は無毒で美味しいが、種をかみつぶすと種から有毒成分が出て痙攣や呼吸麻痺を起こす。

甘党の犬が被害にあいます。私も種の周りを食しましたがゼリーの様な肉質で美味でした。

きちんと剪定されている庭木では滅多に実は付きませんのであまり心配しないで下さい。

有毒成分はタキシンで、種・葉・樹皮や木材にも毒を含有します。

種を噛みつぶさない鳥は中毒せず、便という肥料をまとった種を遠方に広げて植物を繁栄させてくれるのです。

イチイの名前は古代日本で位の高い貴族の笏(しゃく)に使われたので正一位の一位から名付けられました。

今のコロナ試練の中、笏や扇の携帯を復活させてはどうでしょう。

男性は笏越しに女性は扇越しに話をすれば感染リスクが抑えられるのではないでしょうか。

親しい者同士で会食中にマスクの付け外しは大変なので、一つ流行らせてはどうでしょう。

 

イヌサフラン(コルチカム)・グロリオーサ

コルヒチンと言う鎮痛剤を含み、量によっては麻酔状態になり、呼吸不全から死亡するリスクがあります。

イヌサフラン(コルチカム)の花は食用のサフランと似ておりますので誤食しない事です。

植物学者は、擬きや劣った物という意味で「イヌ」と命名します。正直、獣医師としては止めてほしいです。

コルチカムは机の上に置くだけで花が咲き、その意外性から人気ですが、ペットの誤食が多い。

ペットの入らない部屋に飾るか届かないところに吊り下げましょう。

グロリオーサもコルヒチンを含み、地中に作る塊茎が長芋に似ているので秋に堀上げた塊茎の誤食が起きます。

東南アジアには殺鼠剤の原料にしている国もございます。

私はこの炎のような花が好きなのですが、危険なので今は育てておりません。

 

イラクサ・ウルシ・ヌルデ

人間同様接触によりかぶれ・皮膚炎。ヌルデは毒性は弱いが稀にかぶれます。

散歩中に犬が植え込みに顔を突っ込み、顔をやられることが多い。イラクサは非常に痛がり、かきむしってしまう。

掻き壊して眼球などに酷い損傷を起こさないうちに、副腎皮質ホルモンの投与を行うことが重要です。

マンゴーはこのウルシ科ですのでウルシオールを含み、人によってはかぶれますし犬や猫はアレルギーを起こしやすい。

マンゴーの皮をゴミ箱に入れると咥えてきて唇がたらこのように膨れてしまいますので捨てる場所を考えましょう。

マンゴーを皮ごとパフェに飾る小洒落たカフェがありますが褒められません。提供しないで下さい。

 

エンゼルストランペット・ダツラ(チョウセンアサガオ)・ペチュニア・ハシリドコロ・ホオズキなどナス科の植物

全草、特に種子や根に精神錯乱・麻痺・昏睡・失明・副交感神経の効果を遮断する成分を含みます。

ナス科の植物は動物には毒性が強い物が多く、育てるときにはペットとの接触を防ぎましょう。

江戸時代に外科医の華岡青洲は世界で初めてこのダツラ(曼荼羅華)を用いて全身麻酔を成功させました。

食用の品種であっても可食部分以外には毒を持っている種が多いようです。 

トマトの茎の産毛にも殺虫成分があり、絡め取った虫を栄養にしているので小動物には危険。

ペチュニアもナス科ですので毒成分は不明ですが、量によっては危険性が推測されます。念のため注意してください。

毒成分はヒオスチアミン・スコポラミン・アトロピンなど。

副交感神経を麻痺させ異常興奮や幻覚を起こさせ、上記症状におちいる。

東南アジアのある国では伝統芸能の役者がダツラで瞳孔を大きくし充血を故意におこさせ、舞台で舞を踊るとの事です。

インドネシアで、民族舞踊の役者が芝居を始める前に絞り汁を目に点眼ているところを拝見しました。

ホオズキもナス科でこちらは流産を起こすので昔は堕胎に使われたことがあるそうです。

食用のホオズキもありますが、もちろん体の小さなペットには念のため止めておきましょう。

食用ホオズキは鋭いとげが全草に出るので別の意味でもペット愛好家は育てないことです。

私も屋上(ドッグランでは無い三階の屋上)で育てましたが、とげが多く収穫に苦労しました。大変な割には不味い。

ハリーポッターに出てくる魔術草のマンドレイク(マンドラゴラ)もこのナス科で猛毒です。

 

オキナワスズメウリ

近年遮光のための緑のカーテンとして脚光を浴びております。蔓がどんどん伸びながら実をたわわに稔らせます。

2~3センチの赤い実を沢山付けてとてもきれいです。実には白いスイカのような縞模様が有り美味しそうに見えます。

熟れ方により緑・黄色・オレンジ・赤としましまの果実が沢山成ります。

夏の暑さに強く断熱効果も抜群で丈夫です。良いことだらけですが最大の欠点が果実が有毒なことです。

ククルビタシンを高濃度に含み、急性の胃腸障害を起こします。

犬や猫が実を玩具にしないように気を付けて下さい。もちろん子供が口にしないようにも気を付けて下さい。

 

オシロイバナ

種や根にトリゴネリンと言う毒物を含み腹痛・下痢・嘔吐を起こします。

昔から子供が遊びに使っていましたが、安心してはいけません。

私が子供の頃、種の中の白い粉を白粉(おしろい)と言って、これを恐ろしいことに顔に塗ってました。

最近は育てる方が減りましたが、昔は夕暮れ時を知らせる香り高い花でどこにでもありました。

多くの花が蝶や蜂に受粉して貰うのですがオシロイバナは夜中に蛾を呼んで受粉するのです。

藤圭子の「夢は夜開く」を思い出す花です。で、毒を持っているのだから興味深いです。

 

オモト(万年青)

ロデインと言う強心剤が含まれ、心悸亢進・呼吸速迫・痙攣・死亡。

歴史の長い観葉植物なので中毒症例もとても多い物です。

その毒のせいか、強力な鬼門封じのアイテムとも言われてます。

万年青と書きますように、病害虫は付きません。これを食べる動物は皆無です。

西南の角と東北の角に植えると悪霊や鬼が家には入れなくなる言い伝えがあります。

昔は万年青を新築や引っ越し祝いに送りましたが、ペットを飼っているご家庭への贈答には向きませんね。

 

カ行

かすみ草

何しろ猫が喜んでで食べてしまいます。その後吐き気に襲われます。

有毒成分はgyposeninと言われておりますが詳細はわかりません。

 

カラー・カラジウム・クワズイモ・モンステラ・ポトス・スパティフィラムなどサトイモ科

シュウ酸カルシウムが多く、咬んで口内炎.口唇炎・皮膚炎になります。

特にモンステラ・ポトス・スパティフィラムは室内に飾ることが多く、ペットの被害がよくございます。

花が咲いたときに仏炎苞を持つ植物はたいがい有毒ですので口にしないことが重要です。

同じく仏炎苞を持つ日本自生種のミズバショウ・マムシ草・ウラシマソウ・ザゼンソウも有毒です。

仏炎苞とは仏像の後ろにあるオーラのような後光の部分です。

沖縄旅行で経験しましたが、トロピカル気分を演出するためにモンステラを食器に使うのは控えて下さい。

※食用以外のサトイモ科は毒草と考えてください。ちなみに朝顔もサトイモ科です。

モンステラも大事に大きく育てると仏炎苞をもつ花が咲きますよ。

当院の階段塔の中に長年生育しており、夏になると目立たない緑色の花が咲きます

 

カロライナジャスミン

モクセイ科のジャスミンとは全く別のマチン科。お菓子のような甘い香りです。

マチン科にはストリキニーネを含有する物もあるが、抗マラリア薬のキニーネとは別物です。

甘い香りに惑わされて偽ジャスミン茶を家庭で作ったり、誤食して呼吸麻痺を起こす。

含有するゲルセミシンやシクトキシンは死亡例のある猛毒です。

絶対にジャスミンの代わりにお茶に混ぜて煮出さないで下さい。死亡します。

昔新聞の記事で、孫に祖母がこれでジャスミン茶を振るまい重体になる報告を読みました。

誤解をまねくジャスミンの名を付けて園芸店で売らないでほしい物である。

上尾市立丸山公園小動物コーナーの周囲にこのカロライナジャスミンが植えられておりました。

子供がこれを摘んでヤギに与えると行けないので、注意喚起して除去して頂きました。

 

キキョウ

根茎に薬用成分ではあるがサポニンが含まれ、人では鎮咳作用が有り薬用です。

犬猫では下痢・溶血性貧血を起こすのでかじらせないように注意。

花が咲く直前の紫色の風船が可愛いですね。

桔梗紋の有名人と言えば天海僧正・太田道灌・明智光秀・加藤清正・坂本龍馬・柳田国男・正宗白鳥・

小池朝雄・三遊亭円楽・氷川きよしなど、反骨精神・時代の寵児・一癖も二癖もある方が多い気がします。

            

キダチアロエ

毒草では無いですが、ペットでは副作用の下痢が起こりやすい。

バルバロインと言う成分が人では問題ない濃度だが小動物では下剤として強く作用します。

人にとって薬草でも動物には使えない物も多い典型です。

 

キョウチクトウ科・夾竹桃・プルメリア・日日草・アラマンダ・サンパラソル

毒矢や抗癌剤の原料になるほどの致死毒。色も香りも素晴らしい夏を彩る花なので残念です。

主な毒素はオレアンドリンで、熱に非常に強い。

燃やした煙を吸っても死亡する事がある。火事になった時の事を考えると街路樹には使ってほしくない物である。

※公園や街路樹にも使われているので、散歩中にこの落ち葉や枝をかじったり食べたりしないように十分注意する事。

この木が植えてある根本の土を食べた犬が中毒した例もある。公園緑地課の方、ご一考下さい。

落ち葉で堆肥を作ってそれを食べて中毒を起こしたり、枝で串焼を作りその肉を食べて中毒する事もある。

プルメリアはハワイでレイに使いますが、肌が弱いと首の周りに糜爛を起こします。

プルメリアの挿し木用の苗がハワイ土産で売られてますが、犬や猫が玩具にして噛まないように気をつけて下さい。

すさまじい毒性を持っています。

この木を見たら毒薬が置いてあると認識し、犬猫を近づけない事。虫ですら寄りつきません。

以前ボウイスカートの野外バーベキューでキョウチクトウの枝を串に使い子供が重体になる事故が報告された。

ニチニチソウ(日々草)からは有名なビンクリスチンという抗がん剤が発見されております。毒と薬は紙一重です。

アラマンダは毒性は夾竹桃と同様です。10℃以上だと低木になり一年中黄色いビタミンカラーの花が咲き見事です。

サンパラソルは商品名で本名はマンデビラ。蔓性の夾竹桃と考えて有毒植物と判断して下さい。

サンパラソルは軒下なら関東では越冬できるので人気があり夏になるとどこでも売っております。

毒であることを肝に銘じ注意して育てて下さい。剪定したときに出る乳液はかぶれます。

 

キンポウゲ科・アネモネ・福寿草・ラナンキュラス・オダマキ・秋明菊・クレマチス(テッセン)

毒成分はアドニトキシン・アネモニンなど。

キンポウゲ科は種類により多種多様な毒を含みます。全草に毒を含みます。

いずれの種も早春から初夏に鉢植えが出回りますが気をつけましょう。

ラテン語名はアフロディーテの浮気相手の美少年アドニスから命名されました。

絶世の美男子でそれ故、周囲に常に争いを巻き起こました。で、毒草とは意味深ですね。

三角関係がもつれて謀略で殺されてしまい、流れた血からアネモネが咲きました。 

食べると心臓麻痺・呼吸麻痺を起こすものや、汁がついただけで皮膚炎を起こす物など症状は多様。

福寿草など致死性の物は量によっては治療する間もなく急死します。

以前に正月の寄せ植えの福寿草を食べた猫が来院しました。

誠に残念ながら催吐薬を使う間もなく来院したときには死亡しておりました。

正月早々家族が悲劇に見舞われることになり誠に痛ましい事故でした。

私も研究のため庭に生えているオダマキを噛んでみましたが、苦く刺激の強い食感でした。

二度と口にしたくない味なので、なぜ誤食事故が起こるのか犬の味覚は謎です。

 

クリスマスローズ(キンポウゲ科ではあるが毒成分が異なり別項とした

ヘレブリン、プロトアネモニンと言う猛毒を全草に含有します。 

昔ヨーロッパでは駆虫や堕胎に用いられたが、薬用量でも心停止が起こり危険です。

葉汁が手についても皮膚病を発症させることがある。園芸作業には手袋が必要です。

クリスマスローズという名前からは想像できない毒草です。

植物に悪意は無いのでしょうが、キンポウゲ科にはくれぐれも注意。

学名のヘレブロス・ニゲラは黒い死の植物と言う意味です。

ラテン語名を知ってしまうと怖いですが、食べない限り致死性はありません。

日陰で育つので井上動物病院では北側や裏庭で育てており、耐陰性が強く花の少ない冬に花が咲く貴重な存在です。

昔は濁った一重の下向きの花でしたが、品種改良が進み色も鮮明になり八重咲も安価に手に入るようになりました。

数万円した株が今は比較的安価になりましたので、毒であることを知らずに育てる方も多くなりました。

気を付けて下さい。

 

ケマンソウ科・鯛釣草・コマクサ

プロトピンなどのアルカロイドを含みモルヒネ様作用がある。

中枢神経の伝達を阻害し麻酔や鎮痛作用を起こす。

少量ではふらつくだけだが、量が多いと心臓麻痺や呼吸不全により死亡する事もある。

高山植物のコマクサを栽培する方は居ないでしょうが,タイツリソウは春に園芸店で見かけます。

私も好きな植物で育ててます。私は満開の花穂が恵比寿さんのササ飾りに似ていると思います。

商売繁盛の縁起ものですが、植える場所に注意しましょう。

赤が一般的ですが白花のタイツリソウも清楚で素敵です。

ケマン(華鬘)とは寺院の装飾に使われる荘厳な仏具のことです。たしかに似ております。

 

サ行

サボテン

烏羽玉(ペヨーテ)など一部の種にメスカリンと言う幻覚を起こすLSD類似の麻薬を含有。

中南米では昔、神官が儀式に使っておりました。

痛みに強くなるので戦士や生け贄に投与した例もあるようです。そこに生まれないで良かった。

有毒種は針無サボテンに多い傾向にある。針で武装しない種は毒で動物の食害から守るのです。

よもやトリップに使うことは避けましょう。使用法はここでは紹介できません。

私も育ててますが、肉質部を舐めるととても苦く、そのままでは無理でした。

日本では現地で育つ野生種とはかなり形状が異なってしまいます。含有成分が少ない理由かも・・・

一般的な日本の環境ではメスカリン濃度が現地栽培ほど濃くなりません。法で栽培禁止にする程では無いでしょう。

ウチワサボテンはステーキにして食べられますが、一見ウチワサボテンに見えて有毒品種もあります。

本来のサボテンの仲間ではございませんがユーフォルビアの仲間の彩雲閣・大雲閣・緑珊瑚などは樹液が有毒です。

白い乳液にホルボールエステルやインゲノールエステルを含み皮膚炎や目に入ると角膜潰瘍を起こします。

 

サンセベリア(虎の尾)

有毒成分は不明ですがスズラン亜科に属しますので、いずれは有毒成分が検出されるものと予想しております。

私としては有毒植物として考えて頂きたく思います。

古くから親しまれており耐陰性が有り、日本家屋では歴史のある観葉植物です。症状は消化器症状くらいです。

しかし量によっては危険かもしれません。

 

シキミ

全草にアニサチンと言う毒物が含まれ特に実に高濃度含まれる。

実は同じシキミ科の八角に非常に似ており、漢方薬や中華料理に誤使用されて事故が起こる。

昔ジャパニーズアニスと命名され輸出され、中毒事故が起きました。

毒物劇物取締法に指定されるほどの致死毒なので厳重な注意が必要です。

仏前に供えられる供花なので猫がいたずらしないように十分注意しましょう。

庭に植える場合には種が出来たらすぐに摘み捨てることです。

シキミの仲間からはシキミ酸が産出され抗インフルエンザ薬タミフルの原料になります。

しかしシキミ科で毒性が無いのは茴香(八角)だけなので、素人の利用は厳禁です。

 

ジギタリス

全草にジゴキシンと言う強心配糖体を含む。

ごく微量なら薬理作用があるが、猛毒であり嘔吐・下痢・除脈・心停止を起こし死亡します。

園芸店でよく苗を売っております。上手に育てると2年目や3年目に、より見事な花穂をつけます。

ラテン語でジギタとは指を意味し、一つ一つの花が指サックのような形だから名付けられました。

昔薬草として育てられたコンフリーと似ていて人でも中毒がございます。

コンフリーも毒性が示唆され、今はあまり薦められないようです。

 

シクラメン

シクラミンと言うサポニン配糖体を含み、嘔吐や胃腸炎を起こす。

毒性はさほど強くは無いので、大量に食べたり治療をせずに様子を見たりしなければ、死亡する事は稀。

冬場によく猫が囓って下痢を起こします。

 

沈丁花(ジンチョウゲ)

樹液にダフネチンと言うクマリン誘導体を含む。樹皮をかじって、口唇炎を起こす事や、樹液が付いて皮膚炎になる事がある。

クマリン誘導体は桜葉にも含まれるが微量なので大量に食べなければ大丈夫です。

少し脱線しますが桜の花にはエフェドリンが含まれます。

エフェドリンは麻薬の一種ですので満開の桜の下では酒が美味しくなるのでしょうか。

クマリン誘導体は桜餅の香り成分との記述がありますが純粋なクマリンには匂いが無いそうです。

 

スイートピー

豆類には毒性アミノ酸が含まれる種類が多く、神経麻痺を起こす。

量によっては脊髄神経が麻痺し歩行困難となる。

食用可能な豆でも、生では絶対に食べさせないようにして下さい。

豆が動物に食べられないように進化した自衛手段なのでしょう。 

豆苗も生食は危険ですので小動物には御法度です。

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スズラン

全草にコンバラトキシンと言う猛毒を含み、葉一枚でも心臓麻痺を起こす。

動物がスズランを活けてあった花瓶の水を舐めて死亡した例もある。

特に希に結実する赤い実は一粒でも食べた動物が致死的転帰をとります。

庭にペットを放すご家庭では絶対に植えないで下さい。

スズラン亜科には他にドラセナ・オモト・サンセベリア(トラノオ)などがあります。

これらも毒性がありますので注意して下さい。

ドラセナとサンセベリアは少量では致死性は無いようですが流涎・嘔吐・下痢が起こります。

 

ストレリチア(極楽鳥花属)

品種としてはストレリチア・レギネ(極楽鳥花)、ストレリチア・オーガスタ(瑠璃極楽鳥花)・旅人の木などがあります。

正確には毒草とは言えません。旅人の木は互生した葉にたまった水分が喉が渇いた人の水分補給に役立つ位に安全です。

しかしながら、ネットで毒草との記述を見た方も多いと思います。

実は生化学的な毒は無いのですが、物理的な刺激物が細胞内に含まれます。

茎をスライスして顕微鏡で観察しましたところ、蓚酸カルシウムの長さ1ミリ位の針が多数含まれます。

これによる刺激で口内炎や消化管の炎症が起こるようです。

毒物として栽培を止める必要は無いですが、ペットが噛むと痛い目に遭いますのでしつけましょう。

案外と寒さに強く軒下であれば氷点下にならなければ大丈夫です。当院では早春に室内に入れると花が咲き出します。

花も葉もかっこよいので、夏は青空待合室にて育てております。

 

スミレ・ビオラ・パンジー

ビオリンを主成分に数種の毒素を種と根茎に持ちます。花は多少食べても大丈夫です。

花はエディブルフラワーとして用いられますが、犬や猫が茎や根を食べないように注意しましょう。

神経毒・心臓麻痺があり得ます。

有名なカクテルにバイオレットフィズがあります。

ニオイスミレが原料のバイオレットリキュールを用いて作られます。

このリキュールにも神経毒のビオリンが微量含まれます。微量だと薬用になるのですね。

古代ギリシャ時代からヨーロッパではこの鎮静作用を期待して飲用されていたようです。

私が学生の頃初めて買った酒がサントリーのバイオレットフィズです。大量に飲みませぬように。

 

セリ科・ドクゼリ・ドクニンジン

野生のセリ科にはシクトキシンと言う猛毒を含むものが多く、痙攣・呼吸困難・心臓麻痺など重篤な中毒症状を少量で起こす。

湿地帯に自生するので、沢歩きの時には気をつけたい。

ドクニンジンはソクラテスが処刑されるのに用いられた毒草として有名です。

コニインと言う神経毒による筋弛緩作用で呼吸が出来なくなり窒息します。草の全体像はフェンネルに似てますので要注意。

ただし、北海道以外では自生は希ですが、毒性が強いので詳しくない方は湿地に芹摘みには行かない方が良いでしょう。

散歩中に犬が囓らないように厳重注意です。

 

センダン (栴檀)ビャクダン

特に漢方で使われる実にはメリアトキシンと言う毒が含まれる。

微量では抗癌作用があるが、実を数個食べると嘔吐・痙攣・昏睡・死亡の危険性がある。

癌を縮小させる効果から動物用サプリメントも製剤化されている。

センダンアルファーと言う動物薬は抗がん剤として優秀な効果がございます。

国内の種な産地は沖縄県です。

センダンは琉球新報にも記載され、将来優秀な抗がん剤になり得ると取り上げられました。

香木ですので扇子の骨にも使われます。犬が囓らないように注意して下さい。

この成分は線香にも含まれる事があります。お線香を誤食しないように気を付けましょう。

ビャクダン白檀(サンダルウッド)は全く別物ですがよく混同されますので注意しましょう。

 

ソテツ

種実や幹の芯はデンプンが豊富で特別な製法で食べる事も出来るが、そのままではサイカシンなどの毒性成分が含まれる。

少量では腎不全・消化器症状。量によっては多臓器不全で死亡。

微量を複数回食べると発癌性や筋萎縮性側索硬化症を発症させる。

蘇鉄地獄といいまして日本軍が沖縄にて地上戦突入時、食べるものが無くなりつい口にして亡くなった方がいたとの事です。

沖縄に旅行に行くときには先ず南部に行き亡くなられた先人に敬意を表してから旅を続けるとよいでしょう。

唯一地上戦が行われ沢山の方が犠牲になられたわけですから。八重山にはさらに聞くに堪えない話が沢山ございます。

食用は飢饉や戦中の貧しい時期の風習であり、まねをしてはいけません。

昔、薩摩藩が沖縄・奄美・南西諸島を支配していた時代、サトウキビ以外の農作物が禁じられておりました。

台風で飢饉が起こると他の作物が許されない島民達はソテツの幹を割り芯を刻み水にさらし毒抜きをしました。

できあがったデンプンをナリと呼び穀物の代わりに食し飢えをしのいだ歴史がございます。

この地域の苦悩はいつも突然海の向こうからやってくるのです。我々は罪の意識を忘れてはいけません。

タ行

玉ねぎ・長ネギ・ノビル・ニンニク・ニラ・ラッキョウなどネギ属

アリルプロピルジスルファイドと言う成分が犬や猫にとって溶血毒となるが、中毒量にはかなり個体差がある。

調理しても毒性に変わりはない。

また、一緒に調理した肉や野菜やスープにも成分が溶け込み中毒を起こす危険性がある。

少量では一過性の下痢・嘔吐を起こすこともある。煮ても焼いても毒性は変わりません。

フライドチキン・唐揚げ・ローストチキンなど知らずに高濃度のニンニクエキスを与えてしまう事がございます。

濃度が高いと数日で死亡することがございます。本当に注意してください。

特にかき揚げをすると犬が喜ぶ甘みと旨みが出て、誤食しやすくなるので要注意です。

ネギ中毒は有名なので今はペットに与える人は少ないが、散歩中のノビルの誤食は多発しているので注意が必要。

ただ、ハンバーグに入っていることに気付かず、与えることがあるようです。

ヒルとは古語でネギのことです。

 

ツツジ科・ツツジ・サツキ・ドウダンツツジ・シャクナゲ・カルミア

アンドロメドトキシンなど数種の毒を含み、少量では嘔吐・下痢・酩酊。量によっては痙攣。呼吸停止・致死。

この蜂蜜で中毒例もある。舗道や公園に植えられていることが多く、犬が散歩中に葉を食べて下痢する事が多い。

下痢はよく起こりますが、かなりの量を食べないと心肺停止までは行きません。

レンゲツツジシャクナゲでは含有量が多いので犬が散歩中に食べ過ぎないように注意しましょう。

ツツジやサツキの葉を数枚食べただけでは心配なく、あまり神経質になる必要はありません。

上尾市の花がツツジなので丸山公園など市営公園には必ず植えられております。

散歩中にムシャムシャ食べないように気を付けましょう。

カルミアも注意。金平糖のような可愛いつぼみと色違いの花を咲かせますが姿に気を許してはいけません。

ちなみにカルミアの一種には英名で「羊殺し」と言う恐ろしい名前が付いております。

 

チューリップ

ツリピンやツリパリンと言う毒を全草に含み、皮膚炎・口内炎・心不全を起こす。

例年秋に買った球根を植える前に食べてしまう事による中毒が後を絶たない。

球根の置き場に注意。少量を食べて口内炎で口唇がタラコのように腫れあがる。多量では死亡例有り。

なぜ誤食事故が絶えないのか微量を食べてみら、とても甘く美味しかったですが、後からピリピリします。

この実験から犬が食べる理由は甘いからだと判りました。

堀上げた球根を犬の目に付くところに置かないようにして下さい。

花や葉にも低濃度の毒があるので春にペットが食べなない様に注意しましょう。

 

ツワブキ

ツワブキを代表とした山野草のキク科の植物にはピロリジンアルカロイドが含まれます。

強い肝毒性が有り肝臓癌の原因の一つとされております。

ただ、調理の段階で毒性分が消失しますのでツワブキの蕗佃煮を食べても問題ございません。

庭のツワブキを生で犬や猫がよく囓っているようであれば止めさせましょう。

写真のツワブキの群生は皇居の平川門の所で大嘗祭の社の見学の時に撮影しました。

 

デルフィニウム

初夏に切り花に人気があり定番で使われます。

花穂に蜜を含み甘いので、ペットがつい誤食します。

微量では嘔吐や腹痛で済みますが量が多いと痙攣を起こし死に至ることがあります。

 

ドクウツギ(毒空木)

トリカブトとドクゼリと並び称され三大毒草と言われる猛毒です。

昭和の頃までは甘い赤黒い実を子供が食べて死亡する事故がよくあったそうですが、かなり駆除されて絶滅危惧種です。

ところが東日本大震災の後、海岸線の近くの明るい空き地に生えている様子が報告されました。

絶滅寸前と安心せず、明るい雑木林や海岸線付近に赤い実(熟すと黒い)の成る低木があったら要注意です。

食べてしまうと高確率で死亡します。

食べた哺乳類が死んでしまっては子孫を広められません。何のためにこの様な進化をしたのでしょう。

現に世界に飛び飛びに散発的に自生しているだけで広範囲に広がる事はありません。何よりです。

 

ドラセナ(幸福の木・青年の木など)

スズラン亜科に属し有毒成分含有が示唆されます。毒成分は不明。

嘔吐・下痢・流涎や大量だと死亡例有り。

 

トリカブト

薬草で附子と言われるが、猛毒なので素人は扱ってはいけない。

少量でも嘔吐下痢を起こし痙攣期を経て心臓麻痺で死亡する。

根だけでなく花や花粉や密にも毒があるので、山歩きで犬が食べない様に厳重注意。

トリカブトは花が咲いていないときにはゲンノショウコに葉がそっくりです。

ゲンノショウコは動物病院でも下痢止めに処方しますが、間違えやすいので気をつけて下さい。

生薬や漢方薬の動物への転用は漢方薬に詳しい獣医師に任せて下さい。

 

ナ行

ノウゼンカズラ

有毒成分と言うほどではないですが、ラパコールと言う成分を含有します。

ラパコールは沈痛・抗菌・抗真菌・抗癌作用があるようですが実用化には不安があります。

ラパコールが原因かは不明ですが、葉や花の汁がアレルギーを起こす事がある。

目に入って結膜炎を起こしたり剪定して手がかぶれる事もあります。

 

ハ行

ハナミズキ

春に白やピンクに色づいた4枚の萼を持つ花を咲かせます。本当の花は中心部分の集合花です。

有毒成分は不明ですが赤い実に毒がございます。葉にかぶれる方もおります。

汁が付着すると皮膚炎を起こすようです。囓った犬の口内炎を起こします。。

同じミズキ科のヤマボウシも赤い実を付けますが、こちらは食用になります。

樹形も花も非常に似ておりますので混同しないように気を付けましょう。

ヤマボウシと比べてハナミズキの幹は網目状に皺が有り、実はハナミズキの方がかなり小さいです。

 

ヒヤシンス

全草にスイセン同様に猛毒のリコリンを含みます。絶対に食べてはいけません。

また、針状のシュウ酸カルシウム結晶を特に球根に高濃度に含みます。

接触性皮膚炎を起こし、痛痒くなる。球根から出る粉で強いアレルギー症状を起こす場合もある。

水栽培をする場合には置き場に注意して下さい。枕元など顔の近くは厳禁です。

呼吸器系の疾患を持つペットを飼っている方は残念ながら栽培を控えて下さい。

球根の皮が剥がれ落ちてそれに触れて発症します。皮を剥がして飾るのも改善策として有効。

過敏な方の場合には水栽培を置いている部屋に入っただけで目が痒くなります。

 

葉樹皮にウェスタリン、豆にシチシンを含む。嘔吐や下痢まれに死亡。

鬼滅の刃で鬼が嫌がるのはこの毒成分のせいでしょうか。あるいは藤原氏(百目鬼退治の俵藤太)に由来するのでしょうか。

夜の藤棚の下を散歩すると妖しい美しさに引き込まれますね。

夜の藤ほど妖艶と言う詞が似合う情景はありません。この時期には夜中に散歩に行きしばし藤の下に佇み心をいやします。

万葉集では藤はほとんど藤波と記されてます。

たしかにに満開に咲いた藤棚を下から見るとあたかも藤が波のように打ち寄せているようです。

あるいは、散った藤の花が一面にあるのが風で舞って波の花のようだったのかも・・・

同じくマメ科で藤に似ているが黄色い花を咲かせるエニシダ・キングサリ(キバナフジ)も有毒です。気をつけて下さい。

 

ベゴニア・シュウカイドウ(秋海棠)

全草にベゴニン・シュウ酸カルシウムを含み食べると苦酸っぱく、嘔吐や下痢を起こす。皮膚に着くと炎症を起こす。

私も食べてみましたが塩っぱいのと、その後しばらく口の中がチクチク・ヒリヒリとしました。

多摩川の上流の鳩ノ巣と言うところに水神様をまつる小さな社があり、その周りの秋海棠の群生が見事でした。

昔、修学旅行で使われていたらしい主の居ない旅館の残骸が昼なお暗い谷底にございます。

多摩川に住まうクラオカミあるいはタカミズハの神様が本当にこの淵に居そうな気がするところです。

廃屋と水神社と鬱蒼とした秋海棠の群生に夕暮れ佇むと、時を忘れます。

花だけが明るく地上の星空のようですが、毒なのですよね。

 

ホウセンカ・インパチェンス(アフリカホウセンカ)・ツリフネソウ

ツリフネソウ科はずべて毒草です。

私も口にしてみましたが、苦くて食べられません。アフリカホウセンカは苦みがないもの物がありましたので誤食に注意。

ヘリナル酸・インパティニド・シュウ酸カルシウムなどが含まれます。

動物が誤って口にすると嘔吐や下痢を起こします。唇が腫れ上がることもあります。

 

ポインセチア

全草・切った所から出る乳液中にフォルボールと言う成分を含有。

皮膚炎・疱疹を起こす。長期的には発癌性を有する。人では死亡は稀。

小動物では一本で致死量に達する可能性が推測される。

ポインセチアが属するトウダイグサ科はことごとく有毒ですので注意が必要です。

有名どころとしてはハナキリンやユーフォルビア等があります。

 

ヤ行

ヤツデ

ヤツデサポニンが含まれる。下痢嘔吐や溶血をおこす。

農薬並みの殺虫作用があり虫もつかない。誤食すると小動物には危険である。

昔は農家ではヤツデを使って農薬を作っていたとのことです。

 

ユーカリ

コアラが食べているからと安心してはいけません。コアラは特別ユーカリに耐性です。

コアラは母親のうんちを食べることにより解毒能を持つ微生物叢を手に入れております。

また、京都大学霊長類研究所の2018年のコアラのゲノム解析の研究で、解明されました。

コアラが遺伝的に有毒のユーカリを識別でき、その特殊な味蕾により青酸が感知できるとの事です。

そんな能力を持たない我々や犬猫は有毒のユーカリの持つ青酸により中毒を起こします。

なお、有毒では無いユーカリでもテルペン類を多く含むため下痢を起こしますので食べてはいけません。

ユーカリ飴など食品として流通している物でも子供や小動物には与えない方が無難です。

尚、ユーカリの木は精油が多く燃えやすく、生木でも易燃性です。火事に気を付けましょう。

 

ユズリハ

春の新しい葉の生長を見届けてから古い葉が落葉しますので、ユズリハと呼ばれます。

この様子を親が子供の生長を見届けられる縁起物と考えて正月の飾りや記念木として植樹されます。

しかし、この葉もブルーベリーのような美味しそうな実も全て量によっては致死性の毒があります。

牛ですら死亡しますので、絶対に犬や猫もちろんウサギも囓らないように気を付けましょう。

有毒成分はダフニフィリン、ダフニマクリン、ユズリミン等のアルカロイドです。

 

ユリ科・オリエンタルハイブリッド・オニユリ・テッポウユリなど

ユリ科の植物はなぜか人間に無害で動物に毒性を持つものが多い。ネギもユリ科である。

猫は特別にユリによる腎不全の感受性が高く。治療に反応せず致死的なので注意が必要である。

ユリのほとんどが危険で、特にカサブランカなどのオリエンタルハイブリッドと言われる種で多発している。

在来種のユリでも同様と考えられるが、有毒成分も致死量も未だ不明である。

雄しべ一本あるいは花や葉の一口でも腎臓の尿細管が侵され、数日のうちに尿毒症で死に至る。

死亡までの間に食欲低下・嘔吐・痙攣・狂乱・昏睡が順におとずれます。

発症したら残念ながら進行を遅くする事しかできない。

猫の行動範囲にはユリは飾らず、活けた花瓶の水も速やかに捨てるように。

食べてしまったときにはできるだけ早く動物病院に行きましょう。

催吐剤で嘔吐・吸着剤で毒性分を吸着・点滴をして血中濃度を下げて排泄を促します。

食塩を用いた民間療法で吐かせないで下さい。食塩中毒でさらに腎臓に負担をかけてしまいます。

誤食後時間経つと延命しか出来なくなりますので、時間との勝負です。食べたらすぐに受診しましょう。

アスパラガスは以前はユリ科に分類され近縁です。念のためウサギ・犬・猫などに与えないでおいて下さい。

 

ヨウシュヤマゴボウ

ブルーベリーのような実をブドウのように房状に着けるので子供が色水にして遊んだり、ままごとに使ってしまう事もある。

しかし、フィトラッカトキシンと言う猛毒を全草特に種に多く含有し、嘔吐下痢から昏睡に至り死亡例もある。

小動物では数粒種を食べても重篤な状態になる。

食用のヤマゴボウとは全くの別種です。よもや食べませぬように。

食用のヤマゴボウは有毒のヤマゴボウ科では無くキク科のモリアザミです。植物は名前に惑わされないように。

毒性を知っていれば子供の遊び道具には到底許すことは出来ません。

 

ラ行

ラベンダー・ティーツリーオイル等の精油

ラベンダー全草に含まれる精油成分が特に猫に危険です。

肝不全から死亡例の報告もあるが毒性成分は未確認。

ティーツリーは犬猫共に皮膚炎・沈鬱・神経症状など。

※猫は肝臓でグルクロン酸抱合による精油類の代謝・解毒が出来ず植物性精油で中毒が起こりやすい。

ハーブがペットに優しいとは絶対に考えないで頂きたい。

同じ理由で、市販のノミ駆除薬でハーブを含有した物を安易に使用しないように。

 

ランタナ

種実にトリテルペン・ランタニンを含有し、食べると嘔吐下痢や腹痛を起こす。

量が多いと神経症状が出ます。瞳孔散大・呼吸困難・昏睡のリスクがございます。

葉にはそれほど含有しないが、多食は厳禁である。

なぜか犬が喜んで食べるので要注意。

私も食べてみたところ、犬が好きなケヤキの葉の食感に似ております。

花が終わったらすぐ摘み取り、結実させないように栽培する事で比較的安全性が保てます。

少量ずつ食べ続けると肝障害を起こすとの記述もあるが因果関係は不明。

園芸的には1年草として扱われますが冬霜に当てなければ2℃まで耐え低木に育ちます。

 

リュウゼツラン

テキーラやシロップの原料になるからと言って甘く見てはいけません。シュウ酸カルシウムを含みます。

人間には無害な量でも、小動物には消化器症状や皮膚炎を起こします。

ただ、皮膚の弱い人では切った葉の液が付くと長期間かぶれ続ける方がいるようです。

 

ルピナス

ルピニンが含まれ下痢嘔吐、種子は高濃度含有なので呼吸困難・心臓麻痺。

マメ科の植物は有毒種が多いので気をつけましょう。

 

ロウバイ

蝋細工のような香り高い花は良く小鳥が食べに来ますが、種は有毒です。

実にはストリキニーネと類似の毒が有ります。

食べると30分くらいで強直性痙攣を起こし呼吸困難を起こし死に至ります。

蝋梅と書きますがクスノキの仲間で梅とは無関係です。絶対食べないように。

蛇足かもしれませんが蝋梅にはイラガの幼虫がよく付きます。

イラガの毛虫に刺されると感電したような痛みに襲われ、その後炎症が1ヶ月は続きます。

夏の蝋梅の木の下は気を付けて下さい。

 

ロベリア・サワギキョウ

ロベリンと言うニコチン類似物質を含有する。

少量の葉を食べると下痢嘔吐。量によっては麻痺や呼吸困難・心不全を起こす。

 

果物・野菜・穀類

アスパラガス   可食部分に含まれる毒素は無視して良い量ですが、赤い実には中毒量が含まれます。

         有毒のポニンやアルカロイドが含まれ、振戦・消化器症状が出ます。

         家庭菜園で実が付くと危険ですので、摘み取って下さい。犬より猫で重症化します。

 

ブドウ・レーズン 犬で腎不全をおこす。原因物質はまだ特定されておりません。

         毒と認識された歴史はまだ浅く、昔はワイナリーで飼う犬は短命だとだけ言われてました。

         出来頃のブドウを犬が教えると言っている農家の方も居たぐらいでした。

         干しぶどう(レーズン)でもどのような品種でも腎不全の原因になります。

         レーズンバター・ブドウパン・ブドウの入ったアイスで中毒を起こす症例を拝見します。

 

アボカド     ペルジンが含まれるものでは消化器症状。量により死亡例あり。

         有毒成分は実だけでは無く種にも葉にも含まれます。

         特に鳥類で致死的です。鳥を放す部屋では水耕栽培等は止めましょう。

         人間以外では中毒を起こし、量が多いと痙攣や心肺停止を起こします。

         動物用サプリメントになっている物はペルジンが含まれない品種だそうです。

 

未成熟なウメ・サクランボ・モモ・アンズ・リンゴ・アーモンドなど

         アミダグリンと言う青酸配糖体により死亡の危険性がある。

         種の中には成熟後も遺残しているので種をかじらせない事。

 

マカデミアナッツ 心悸亢進・後駆麻痺を起こします。犬はナッツが好きなので誤食に注意。

 

カカオ(チョコ) ココアやチョコレートで中毒を起こし心不全の危険性もある。

         犬は特にテオブロミンと言う成分に弱いので要注意。

         特に高濃度に含むブラックチョコレートには要注意。

         子供が食べる様なミルクチョコレートでは10㎏の犬で50gが危険量になります。

         ゴデバやネウハウスなどの高級チョコレートでは純カカオ濃度が高く一粒でも危険です。

         井上動物病院では毎年2月にチョコレート中毒患者が訪れます。

         バレンタインのチョコレートは置き場所に注意。コタツの上に置かないことです。

 

キノコ類     例え食用のキノコでも、椎茸や松茸は生では毒があります。

         台所に置きっぱなしにしてペットが囓らないようにしましょう。

         また、秋の散歩では野山には毒キノコがいっぱいです。

         犬が興味本位で囓らないように気を付けましょう。

         カエンタケ等触れただけで焼けるような痛みと炎症を起こすキノコもございます。

 

ギンナン     ギンコトキシンと言う成分が含まれます。人では数十個以上食べ無ければ問題ありません。

         小動物では一粒でも危険な量になり、てんかん様発作などの神経症状を呈します。

         イチョウの葉を食べたり散歩中にギンナンを舐めて果肉で中毒を起こすこともあります。

 

ゴーヤ(ニガウリ)赤く完熟した果肉や種にはモモルジンと言う成分が含まれます。

         完熟果は甘いので良く犬が誤食して下痢や嘔吐を起こします。

 

栃の実      あく抜き前の実はサポニンなど数種の成分により下痢嘔吐。

 

じゃがいも    チャコニン・ソラニンが含まれます。

         日に当たると成分増加するので、保管場所に注意。

         家庭菜園では根元に土を寄せてイモに日が当たらないようにしましょう。

         地表に近いイモに日光が当たると可食部の深いところまで毒が生成します。

 

モロヘイヤ    種や太い茎にストロファンチジンと言う強心配糖体を含みます

         葉には毒性はございません。牛でも死亡例がございますので気をつけて下さい。

 

トウゴマ     種を絞ってヒマシ油を作りますが、絞った残りかすや種自体を一粒食べても死に至ります。

         猛毒リシンが含まれます。アミノ酸のリジンとは全くの別物ですので名前が似ているので注意。

         たった0.03mg/BWkgで死に至るので戦時中は化学兵器に現在では暗殺に用いる程の危険物質です。

         残念ながら治療は出来ません。即死せず数日かけて死亡します。おぞましい毒物です。

 

ドリアン     急性胃拡張・胃捻転で犬で死亡例がございます。

 

マンゴー     ウルシ科ですので、犬や猫が皮ごと囓って口内炎や口唇のかぶれが起きます。

         テーブルの上に放置しないように気をつけましょう。

         アレルギーが無ければ果肉は食べても大丈夫ですが、少しだけにしましょう。

 

リンゴ・ナシ   ペットは良く噛まずに飲み込む傾向に有り、窒息の危険がある。

         大きな固まりが喉や腸を閉塞させ死亡例がございます。

         もちろん毒性はありませんが与え方に配慮が必要です。

         細かく刻むか、すりおろして与えましょう。種は取り除いて下さい。

 

柿        ほんの少量にしませんと下痢をします。あえて与えない方が良いでしょう。

 

ミカン(柑橘類)  皮に多く含まれるリモネンは特に猫で有害です。振戦・意識混濁・昏睡・全身の皮膚の糜爛

         果肉は大丈夫なようですが、可食量が判りませんので避けた方が無難です。

         食べても消化せずにつぶつぶのままで便に出てきます。ビタミンCの吸収は期待できません。

         犬猫はビタミンCを体内で合成できますので栄養として与える必要はありません。

         漢方薬に陳皮としてよく入っております。漢方薬でで治療の際は要注意です。

 

ナンテン     南天は難を転じると言い、古くから縁起がよいとされ用いられています。

         虫除けや食中毒よけになるので弁当に乗せたり会席料理の器に飾られます。

         しかし、虫除けと言うことは小動物にとっては有毒なわけです。

 

ノギ       イネ科の植物の種実部外皮をノギと言います。

         毒ではありませんが構造上ペットが踏むと足裏に刺さって食い込み危険です。

         踏んだフットパットや指間から少しずつ奥に潜入し瘻管が生じ慢性的な炎症を起こします。

         完治には手術が必要になることもあり、とてもやっかいです。

 

パッションフルーツ果肉は大丈夫ですが、葉や茎や果皮に青酸配糖体を含みます。

         人間には少量なら気にしないで良い量ですが犬猫などの小動物には危険です

 

ひょうたん    ククルビタシンと言う急性胃腸障害を起こす毒素が有り、重篤な下痢による脱水に陥ります。

         ウリ科の植物を隣に植えると交雑した野菜まで毒を持った実になってしまうのです。

         家庭菜園でキュウリ等を隣接して育ててはいけない。

         運悪くひょうたんの花粉が受粉してキュウリがククルビタシンを含有する場合があります。

         ひょうたんの仲間のかんぴょう(ユウガオの実)もそのままでは毒ですので要注意。