橈骨尺骨の骨折

最近ポメラニアンの手首の骨折の手術をしました。正確には橈骨尺骨骨折です。
この骨折はほとんどの場合遠位端と言ってこの骨の手首に近いところで起きます。体幹から遠いので遠位端といいます。
骨折の手術はプレートを入れた場合にプレートの上下が同じ長さだと手術は楽ですが遠位端ですと手首側のプレートとをネジで止めるのが物理的に困難になります。
このため止めるネジの本数を増やして強度を高めるためにT字型のプレートを用います。ネジとプレートを同じメーカーのものを用いることも重要です。金属の合金材質がほんの少し異なるだけでイオン化傾向が異なり金属の溶出が起こり金属アレルギーが後々出る確率が僅かながら上昇してしまうので、これを防がなければならないからです。
当院では一定期間スリーエムの外固定を併用し外してソフトな固定に変更してからの退院になります。通常１から２週間で退院です。
ポメラニアンとトイプードルはガラスの骨と言っても過言ではないくらいに骨折が多いものです。小さなお子様のいらっしゃるご家庭では十分注意して下さい。ただ、大した理由なく骨折する事や飼い主に全く落ち度のない骨折も多いものです。
手術は時間を争うような緊急性はないですが数日以内が望ましいといえます。
当院ではほぼ全ての大きさのペットに対応できる骨プレートと骨ネジを常に準備しておりますので内固定器具の準備期間の必要がなく手術対応できます。